たそがれ姫とやさぐれ騎士

中編

























  次に目を覚ましたとき。

  私は珍しくベッドの上に横になっていた。

 「ふぇ?」

  寝ぼけた頭の中でなにか、ひどい矛盾を感じてしまう。

  ベッドの中で目を覚まして、其れが本当はありえないことだって思ってしまっているなんて、結構大変なことなんだろうけれど。

  其れでも私みたいな『化け物』にはありえないことなんだろうと思っていたから、程なくして私はこの異常に気づいてしまった。

  異常その一、私はいまきちんとベッドの上で横になっていること。だって、私はあの路地裏から出たことなんてないんだからこ

 んな風に普通の人みたいにお布団で寝るなんて本当に久しぶり。

  異常その二、部屋の出入り口だと思う扉の向こうからどう考えてもお味噌汁だとしか思えない匂いがするということ。私の食事は

 いままで・・・その・・・・・・血液だったし、独りでいたから目覚めてお味噌汁の匂いが漂ってくるなんて言うのは絶対にありえ

 ないわけだし・・・・・・・・・・・

 「ふぇ?はれぇ?私、どうして・・・・・・・・・・・・」

  予想もしていない出来事が立て続けにあったものだから私の頭はパンク寸前だ。頭を抱えてついついうぅ〜うぅ〜と声が漏れる。

 考え事とかをするとつい出てきてしまう私の悪癖だ。直したいんだけど、癖って分かったからって直らないもなんだよね。

 「と、とりあえずもうちょっと眠ってから考えよっと」

  いまはこのお布団がとても暖かいから、面倒な考え事は明日に回してしまおう。

  そう決定すると同時に視界にひゅっと影が横切る。同時におでこに軽い痛みが走る。

 「いたっ」

 「いい加減おきろ。寝惚け娘」

  落ち着いた声音がする。見上げると、いつからそこにいたのか、見覚えのない男の人がそこに立っていた。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

  取りあえず思考が停止。三秒後に再起動して先ずはじめに(ていうか、何で最初に気づかなかったんだろう)着ている服を確かめ

 るために手を動かす。着ているのは、私が元から来ていた学校の制服ではなく、単の着物。掛けられていた毛布を持ち上げて確かめ

 たから間違いない。

  そして再び男の人を見上げる。

  女性のような整った面立ちなのに、目つきは鋭くてとても格好いい。年は私よりも少し上くらいだと思う。身長は中肉中背ってい

 うくらいだけど、とても鍛えられて、なんていうか側にいるだけでぴりぴりと緊張してしまう感じがする人だ。私は顔が真っ赤にな

 るのを自覚しながら、それでも確認しなくちゃいけないから、口を開いた。

 「あの、こ、この服は・・・・・・・・・・」

 「ああ。貴様が着ていたものは汚れすぎたから脱がしてそちらに着せたぞ」

  こともなげに投げられた言葉は私にとっては致命的だった。

  ううぅ〜〜〜〜〜・・・・私、もうお嫁にいけないよぉ〜〜〜〜

 「なにをそんなにしょげているかは知らないが、とりあえず布団に『の』の字を書くな。変な皺になる」

  乙女の一番大切なものを見ておいて、その男の人は落ち込む私に追い討ちを掛ける。

  ううぅ〜〜〜極悪人だよぉ〜〜〜〜〜

 「どうでも良いがそういう台詞は口に出すな。今度は外に放り出すぞ」

 「はぁ〜い」

 「自覚してやがったのかよっ!!」

 「じょ、冗談ですよ」

  半眼になる男の人に慌てて弁解する。だって目が怖いんだもん。

  男の人は頭を抑えながらふうと息を吐いて、もう一度私に向き直った。

 「まあ、それだけ元気ならもう起きても平気だろ。腹が減っているならついて来い。粗食だが馳走してやる」

 「え・・・・・・・・」

  そこで言葉が詰まってしまった。だって、その人は本当に好意でそう言ってくれているのに、私には其れを受けることが出来ない

 んだから。

  吸血鬼となったいまの私は既に普通の食事は必要としていない。

  あの日、見ず知らずの殺人鬼の手によって殺されてしまった私はその日以来普通の食事は摂っていない。

  ソウ、アノあかイえきたいノコソガわたし二トッテゆいいつノにえ

  思い出して、また吐き気が戻ってきた。

 「ごめんなさい。私、食欲がないから・・・・・・・・・」

  口元を押さえて、いまにも飛び掛ってしまいたい衝動を抑えながら何とか口を動かす。

  けど、

  ペシッ

 「いたっ」

  またぶたれた。今度は額じゃなくて頭。そのまま彼は私の頭をがしがしと揺らし始める。

  とんでもなく力を込めるものだから目が回るぅ〜。

 「ううぅ〜何するんですかいきなりぃ〜」

  ようやく離されて抗議の声を上げる。しかし、彼はまるで意に介さず、

 「五・月・蝿・い。人がせっかく作ってやったんだ。食わねえなんてぬかすなら口を引き裂いて無理やり食わせるぞ」

  と逆に切れられた。その剣幕にひるんだ瞬間に襟を掴まれて無理矢理に立たされた。

 「ほれさっさと起きやがれ。馬鹿な餓鬼がもう一匹、腹空かせてるんだからよ」

  そんなわけの分からない文句を言われながら、私・弓塚さつきは無理矢理に居間らしき部屋へと連行されてしまった。















  看守が昨日俺が拾った女を連れて居間に来たのは奴が女を起こしに行ってから三十分ほどしてからだ。

  看守にネコのように掴まれてやって来た女は俺を見て一瞬恐怖に似た表情をするが、すぐに俺を睨んできた。俺がにらみ返すとす

 ぐに看守の後ろに隠れてしまったが。

 「よう。よく寝られたかよ」

 「・・・・・・・・・・・・・・ふ、ふん。貴方には関係ないでしょ」

  そう言ってテーブルを囲む席のひとつに座る。看守が作ったとか言うこの家の中で、この居間だけは俺の手で『創った』部屋だ。

 何せあいつに任せると殺風景な畳の部屋だけになっていしまう。はじめて来たときは正座が出来なくて呆れらたものだが、洋風にし

 たところで文句はないらしい。

  まあ、たまに食事を食べるときだけに使う部屋なわけだから其れも当然か。

 「ほれ、餌だ餓鬼ども。ありがたく食えよ」

  そう言って現れたのは両手に無数の皿を持った看守だった。質素で、質のいい皿を大量に盛られているのは、食器にまるで似つか

 わしくない真っ黒になった米と魚、それと味噌がそのまま放り込まれた味噌汁だった。

 「・・・・・・・・・・・・・・・いつも思うんだが、てめえ料理の才能がまるでねえだろ」

 「ぐだぐだ言うなら食うな」

  きっぱりと言いのけて看守はもしゃもしゃと食べ始めやがった。

  作った本人だからとはいえ、よくまあこんなもんを食う気になると思う。

  視線を女のほうに向けると、あいつも予想していたものと大分遠いものが出てきたようで、箸を持ったまま固まっている。

  そう広くもない居間に独り黙々と看守の咀嚼音だけが響く。

  俺は一度、気合を入れるためにため息を吐いて箸を動かして炭化している魚をつまむ。

 「なぁ、ひとついいか看守?」

 「なんだ。白髪」

 「俺たちって死んでるはずなのに飯食う意味ってあるのか?」

 「この世界で『消えたい』なら別にかまわないがな。出来る限り生前と同じ生活をしていた方が消えずらいんだよ」

 「さよで」

  諦念にとらわれながら魚(だと思われる炭)を口に放り込む。意思の力で形作られているはずの魚は律儀に苦味まで忠実に再現し

 てくれやがっていたこんちくしょー。

 「不味い」

 「黙れ。俺のかみさんはもっと凄まじいもん作ってたぞ」

  率直な意見はさらりと跳ね除けられた。

  ちなみに女もなにやら諦めた様子で箸を動かしている。

  その顔にはまるで困ったような笑みを浮かべるだけで、俺のように看守へ文句を言うことはなかった。

 「おい、てめえも不味いと思うだろう」

  女に声を掛けるが、やつは微妙な表情をするだけで何も言わなかった。しかし燃えカスじみた米を口に入れ、ごりごりとかいう音

 を立てた後、涙目になりながらそれを飲み込む姿はなんと言うか哀れだった。

 「そ、そうだ。あの、材料ってまだ余ってませんか?」

  涙を流しながら三口目を何とか飲み込んでから女は何を思いついたのかそう切り出した。看守は軽く頷くだけで応じると、

 「自分で作りたいなら向こうの台所に材料があるから勝手に使え」

 「わかりました。ありがとうございます。・・・・・・・アナタも食べる?」

  急に話を振られて一瞬迷ったが、

 「おう。頼む。これよかひどいもんじゃなければの話だがな」

 「うん。わかった」

  そう言って普段看守しか使わない台所のほうへと女が消える。

  三十分ほど(といっても時計がないから多分だが)して、女は別の皿に目玉焼きを盛り、作り直したらしい味噌汁と椀を持って戻

 ってきた。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何故だろう、白い米の輝きが目にいたいのは。

 「おおおお!?こ、米が白い!?」

 「それって驚くこと・・・・・・・・・なんだろうね。多分」

  先に出来た料理の惨状を見て女が妙な納得を示す。看守も興味津々と言った表情で女が持ってきた皿を覗く。

 「時間とかなかったから目玉焼きだけだけどいい?」

 「まったく持って問題ない」

  きっぱりと答えて女から皿を受け取り、白く輝く米と一緒に食い始める。

  何故だろう、久しぶりに人間な食べ物を口にした気がするのは。くそ、目に汗が入りやがるぜ。

 「ほお、これは確かに美味い」

 「そうだな意外だな・・・・・・・・・・・・・・って、てめえ!!なに人のおかずとってやがる!!」

  気づいたときには看守が俺の大事な目玉焼き(しかも黄身)をぱくついてやがった。

 「愚問。そのような甘い考えでは生き残れんぞ?」

 「こんのなんちゃって三十歳が!!餓鬼みてえな真似してんじゃあねえ」

 「飯時は静かにするものだぞ白髪。まったく、そんな基本的な作法も知らんのか」

 「人の飯を横から掻っ攫うやつが言う台詞か!?」

  キレタ。今日と言う今日こそはこいつの息の根を止めてやる!!

  俺が自分のうちにある力を引き出そうとした瞬間、視界の端にくすくすと笑う女の顔が見えた。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐっ。

 「なんだ。なにが可笑しい」

  気勢をそがれてしまい、俺は椅子に座りなおして女に向き直る。

 「あ、ごめんなさい。でもおっかしくって。アナタとこの人って知り合いなのに名前じゃ呼ばないんですね」

 「ああ。それはな、この世界でのルールだからな」

  そう答えたのは俺ではなくて看守だった。

 「ルール、ですか?」

 「そうだ。まあいい。面倒な説明は食事の後にしてやる」

  そう言ってまた看守羽もくもくと箸を動かし始めた。

  その後は誰もしゃべらずに朝食だか、夕食だかは静かに終わった。





















  食事が終わって食器とかを片付けたあとに居間に戻ると白髪と呼ばれた彼はどこかに言ってしまい、代わりに看守と呼ばれた男の

 人だけがお茶を飲みながら新聞を広げている。この人、外見は若いのに妙に年寄りじみている。私は借りたエプロンで濡れた手を拭

 いてからそれをはずして、洗面所らしいところにそれを置く。洗濯物とかはたまっていないけど、きっとアノ二人はいつも同じ服を

 着ているのだろうと勝手に思う。たぶん、外れていないだろうし。

 「終わったか?」

  居間に戻ると、看守さんが私に声を掛けた。

 「あ、はい。一通り」

 「なら、少し話をしてやるから座れ」

  そう言って彼の目の前の席を勧められる。一瞬躊躇したけれど、私はその椅子に座った。

 「さて、なにから話したものか。とりあえず、自分がもう死んでいるって言うのは自覚しているか?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」

  覚悟はしていたけれど、いきなりど真ん中のストレートを投げてくるとは思っていなかった。

  けど、私が既に『殺され』たということは、なんとなく理解できる。

 「そうか。それじゃあもうひとつ。お前、自分が『死んだ瞬間』を覚えているか?」

 「え?」

  質問の意味が分からなくてつい問い返してしまう。だって、自分が死ぬ瞬間なんて私は覚えていない。

 「あの・・・・・・看守さんは覚えてるん、ですか?」

 「ああ。なるほど、どうやらお前の奪われたのはその記憶か。いいだろう、分かってるだけの説明はしてやる」

  そういうと看守さんは読んでいた新聞を適当に折りたたんでテーブルの上に置くと、まっすぐに私を見つめて話し始めた。

 「まず、此処がどこかってところから話すか。ここはな、終わった存在たちが『保管』される場所らしい。どういう目的があるのか

 知らないが此処では存在し続けていると時間と共に世界に『記憶』や『情報』と言ったものがすべて世界に奪われ、同時に保管され

 ていく。早い話、こうしている間にも俺たちは着々と滅んでいっているわけだ。此処までで何か質問はあるか?」

 「『記憶』を、奪われているんですか?でも、私はなにも忘れてませんよ」

  試しに色々と思いだしてみる。曖昧な記憶もいくつかあるけれど、ほとんどは何の問題もなく思い出せる。

 「それは当たり前だ。俺たちは生きているときから常にここに『記憶』を此処に保管され続けている。お前、一年間でその日その日

 で食った飯の具をいちいち覚えていられるわけではないだろう?」

 「それはそうですね」

 「話を続けるぞ。問題は俺たちみたいな『存在』だけで肉体を持たない者が『記憶』をすべて失うと消えちまうってことだ」

 「消える?」

 「そうだ。此処じゃ精神が形を成す。しかし、それを形成する記憶が無くなれば形が無くなり消えてしまうのは道理だろう。そうな

 れば『存在』が根こそぎ消滅し、転生もできなくなる」

 「そんな・・・・・・・・・」

  思いもしない台詞に息をのむ。

  あれ?でも・・・・・・・・・

 「転生って、出来るんですか?」

 「可能だ。此処で形を成すことの出来る者たちはいずれ転生するためにそれぞれ生きている」

  言って、看守さんは窓から見える森の奥を指さす。

 「此処の中心。俺たちがいるこの森を抜けたところに底も見えない穴があってな。其処に自分にとって一番大切な『記憶』を納める

 ことで転生することが出来る」

 「一番、大切な記憶、ですか?」

 「ああ。お前にとって一番大切な記憶だ。もっとも、今は思い出せないだろうけれどな」

 「?どうしてですか?」

 「俺たちは此処で存在し続けるためにその記憶に関しては此処に保管されないために心の内に厳重な壁を作って守ってる。自分自信

 の意志では思い出せないほど深い場所にな。故に思い出せない。まぁ、白髪はいまいちきちんと理解していなかったみたで、大事な

 記憶はもう『保管』されてると思っているみたいだがな」

 「な、なるほど・・・・・・・・・」

  どう返答するか少し困るけれどとりあえずそう言う。

  でも、看守さんが言いたいことは理解した。ようするに、私たちは自分の中にある一番大切な記憶を思い出すことが出来れば、ま

 た転生することが出来るらしい。

 「でも、転生して、なんになるんですか・・・・・・・・・・・」

  こんなこと、言うつもりなんて無いんだけれど、でも自然と口から出てしまった其れは私にとって間違えのない事実。

  生きている。

  其れはこの上ないほどの苦痛であることを、私は知ってしまったのだから。

  他者から何かを奪い、自らの糧とする。

  程度や物が違えど、私たちは生きるために大なり小なりそれを行っている。肉食の動物は草食の動物を。大きな魚はより小さな魚

 を。そして人間はそれ以外の生物すべてから搾取を繰り返して生きる。

  それは、ひどく自己中心的な行動。

  人は理性を持ってその行為を拒絶しながらも本能としてそれを認めている。

  吐き気がする矛盾。

  だから、私はそんな理性を捨ててしまったのだ。

 「だって、生きるのって、とてもたいへ・・・・・・・・・・・ふきゃっ」

  言葉をつなごうとして、またいきなり頭をはたかれた。先ほど同様にぐるんぐるん頭を振り回されて目が回る。

 「ふぁ〜。い、いったい何するんですかぁ〜」

 「やかましい。餓鬼が分かり切ったこと言ってんじゃねえ」

  看守さんは私の頭から手を離すと、腕を組んで私を見下ろした。

 「お前が生きてるときにどんな目にあったかなんてのは聞かない。知る気もないし、必要もない。けどな、お前に何かやり残したこ

 とがなければいまこうして存在しているなんてことはあり得ないんだよ。俺たちは取り直さず、死して後にそれでも生きたいと願う

 想念の固まり、つまりは亡霊なんだからな。

  まったく、覚えとけ?自分も騙せない様な拙い嘘はな、聞いている人間を不快にさせるんだぞ?

  辛くても、苦しくても――――生きていたかったんだろ?」

  最後にそう言って、看守さんがもう一度私の頭に手を載せる。まるで恐れる様にゆっくりと。

  それで、ようやく。

  この人は頭を撫でることも出来ないほど、

  そんな簡単なことも出来ないほどに不器用な人で、

  とてもとても優しい人なんだと、分かってしまった。

 「――――看守さん、なんだか、私の知っている人に、よく似ています」

  ぽつりと呟いて、私は自分の中にある、『ソレ』に気づいた。

  ああ、本当にどうかしているね。私。

  もう生きてるのも辛いなんて、そんなのこれ以上ないくらいの裏切りじゃない。

  私を殺した、蒼い月の眼をした殺人鬼は、いまにも泣いてしまいそうな顔をして看取ってくれたというのに。

  だから、私生きて、また彼に逢いに行かなくちゃ。

 「俺に似てる、ね。そいつは相当ないい男なんだろうな」

  にやり、と冗談みたいに微笑む看守さん。だから私も精一杯の笑みを浮かべて、

 「はい。私の一番、大切な人ですから」




















 「さて、気を取り直して話を戻すぞ?」

 「はい。お願いします」

  姿勢を正し話を促す。看守さんはまた私の対面に座るとお茶で口を湿らせてから話し始めた。

 「まあそうかしこまるな。あと話すことなんざ一つくらいだ。いいか?さっき食事時に言いかけたがな、この世界じゃ『名前』とい

 ものがとても強い力を持つ。そいつの正確な名前を言えば、その対象を思うままに操ることが出来るくらいにな」

 「あ、それで二人ともあだ名みたいな物で呼び合ってたんですか?」

 「まあな。もっとも、俺は単に奴の名前が気に入らないだけなんだがな」

  これで話は終わりと言って看守さんは椅子に体重を乗る。

 「ふう。これで俺の話は終わりだ。お前からの質問は?」

 「あの、記憶が戻ったら、どうやって納めに行けばいいんでしょう?」

 「ん?ほう、もう思い出したのか。それなら、さっさと行こうか」

  くすりと笑って、看守さんはよっこいしょと立ち上がった。

 「ついて来い。案内してやる。っと。その前に」

  看守さんは懐からどこに隠し持っていたのか不明の日本の鉄の棒を取り出すと、一瞬で私の視界から消えた。

  木が破砕する音。天井を砕いたのだと知るのにコンマを要して、私が視線を上に向けたときには看守さんは白髪・・・くんの襟を

 つかんで床に着地していた。

 「デバ亀なんざいい趣味とはいえないぜ?白髪小僧」

 「う、うるせえ」

 「まったく、気になるなら正直に言って同席すれば早いものをお前のおかげで天井が抜けちまったじゃないか」

 「ぶち抜いたのはお前だろ!!」

  困ったものだと、肩をすくめる看守さんに噛み付かんばかりの勢いで文句を言う白髪くん。この人、私と同じくらいの歳だと思う

 けど中身はだいぶ子供じみてる。

 「まぁいい。餓鬼。俺は疲れたからお前がこのお姫様のお供をしろ」

 「「はい!?」」

  そんな驚きの声は、なんていうか驚くほどぴったりと息があった。










こんにちは初めまして。
NETに徘徊する駄目人間・憂目です。
え〜っと・・・・・・・・・・・・・・・・

ごめんなさいキクロウさん
終わりませんでした(爆)

いや、本当ならばバトルまで持っていくつもりが其処まで行きませんでした(滝)
黄理パパ難しい、さっちんの台詞が浮かばない、四季がどんどん幼児退行起こしてる(死)
うわぁ〜〜〜〜〜駄目駄目だ〜
このような駄文で申し訳ありません(土下座)
一応、予定としては次で終わりますので、どうかご容赦ください。
では、このようなものを此処まで呼んでくださった読者の皆様に最大の感謝を。
ありがとうございました〜〜〜

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